「歯科の開業には、資金はどのくらい必要か?」
これは開業をお考えの先生が、まず最初に知りたいことではないでしょうか。テナント開業か戸建て開業か、チェアユニットを何台にするか等の条件によって必要な資金はかなり上下しますので、こちらでは一般的なテナント開業、チェアユニット3台での開業を例にご説明したいと思います。
開業資金の内訳は「設備投資資金」と「運転資金」の2つに大きく分けることができます。
設備投資資金
「設備投資資金」は、その名の通り医院の内装や外装、医療機器等の設備にかかる費用のこと。テナントを借りてチェアユニット3台の場合の設備投資にかかる費用は、おおよそ下記の通りです。
開業場所を借りるために必要な費用 (敷金礼金や保証金、家賃、業者への仲介手数料) | 約500万円 |
医院の内装や外装にかかる費用 | 約1,500万円 |
医療機器にかかる費用 | 約1,200万円 |
広告費、開業時の材料費、事務機器等の費用 | 約300万円 |
合 計 | 約3,500万円 |
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開業資金は約4,500万円
必要です。
また、忘れられがちなのが広告費です。昔は開業時に広告などしなくても患者さんがたくさん押し寄せた時代は終わりました。開業時には、ホームページや内覧会の費用が必須と思っておきましょう。広告・宣伝活動の結果いかんによって、開業後の患者さんの来院数が大きく変わるのですから。さん来院したものですが、今は違います。開業時にホームページを作ったり、内覧会を行ったりといった広告・宣伝活動が、開業の成功を大きく左右するようになりました。
特にホームページは開業を成功させるためのツールとして大変重要です。インターネットが普及した現代では、ほぼ100%の患者さんが来院前に歯科医院のホームページを見ています。ホームページがあれば、開業前から患者さんにさまざまな情報を届けることができますし、内覧会の集客や求人・採用活動にも利用できるので、大変便利です。
このように、開業準備の一つとして、広告・宣伝活動も忘れずに行うようにしましょう。
運転資金
「運転資金」は、開業後の経営が軌道に乗るまでに必要な資金です。開業直後から患者さんが大挙して押し寄せてくれれば良いのですが、現実はそんなにうまくはいきません。十分な収入を得られるようになり経営が軌道に乗るまでには、数ヶ月の期間が必要になる場合もあります。また、保険診療の収入は、診療を行った月の2ヶ月後に国から支払われます。そのため開業から2ヶ月間は、保険診療の窓口収入と自費診療の治療費しか収入源がありません。
このように、開業から数ヶ月は十分な収入を得られないことが多いため、預金を取り崩しながらの経営になります。この数ヶ月間を乗り切るための資金が「運転資金」なのです。この運転資金は、1,000万円くらい用意しておくのが一般的です。
以上をまとめると、歯科医院の開業資金は、
設備投資資金の3,500万円 + 運転資金の1,000万円 =4,500万円
くらいは必要ということになります。