
患者さんは先生の腕がいい
ことを知りません。
患者さんは腕のいい先生に治療して欲しいと思っている。これは疑いようのない事実です。それなのに、その患者さんのニーズに合致しているはずの腕のいい先生の医院が、どうしてうまくいくとは限らないのでしょうか。
それは、患者さんは先生の治療技術が高いことを知らないからです。先生が研修会で一生懸命に勉強して高度な技術を身につけていることも、腕がいいということも残念ながら知りません。知らないから当然その価値がわからないのです。
どんなに素晴らしい治療だとしても、その素晴らしさが患者さんに伝わらなければ、患者さんは先生の医院に集まってはきません。先生の治療技術の高さや治療の素晴らしさを患者さんに伝えることができなければ、開業の成功はおぼつかないのです。
歯科医院開業 ワンポイントコラム
本当に残念なことですが、患者さんは先生の腕がいいことを知りません。「一度治療を受けてくれれば、わかってもらえるのに」そんな風に思われる先生もいると思うのですが、その一度の治療がそもそも難しいのです。
歯科医院の数が少なかった時代なら、選択肢が少ないので「腕がいいのかわからないけど、近くに歯医者ができたから行ってみよう」と思う患者さんも多かったと思います。でも今は、人口10万人に対して歯科医師が77.1人もいる時代です(※)。1986年は36.5人でしたから、単純に競争は2倍以上になっているということです。「とりあえず一度行ってみよう」と行動を起こす前に、たくさんある選択肢の中からどこの歯医者さんが良いのか慎重に検討する患者さんが増えています。
そのため、「患者さんを集めるノウハウ」を持っていないと、開業直後に新規患者さんを獲得するのは、かなり難しくなっているのです。(→ 歯科医院の集客入門)
(※)厚生労働省平成22年医師・歯科医師・薬剤師調査