毎日たくさんの患者さんが押しかけて、
衛生士さんは忙しく動き回り、
先生は「理想の治療」を患者さんに提供する。
そんな忙しくとも充実した日々が送れる。開業したらこんな日々が待っている。そんな夢を思い描く先生も少なくないと思います。
しかし現実は甘くありません。

毎年1,600件もの歯科医院が
廃業に追い込まれています。
開業して自分の理想とする治療を提供すれば、いつか患者さんに支持されて医院は大繁盛。そんなことは幻想です。歯科医院が少なく、待合室に患者さんが溢れていた時代。開業さえすれば、黙っていても患者さんが来る。そんな古き良き時代は終わったのです。
コンビニよりも多いといわれる歯科医院は、今や過当競争のまっただ中。歯科医の開業は年間約2,000件ありますが、一方で1,600件前後が廃業に追い込まれているのですから。(※)
(※)厚生労働省平成23年医療施設(静態・動態)調査より
歯科医院開業 ワンポイントコラム

厚生労働省 医療施設(静態・動態)調査・病院報告
2002年〜2005年頃に比べると、歯科医院の新規開業数は若干ですが減少傾向にあります。しかしそれを競争が緩和していると捉えるのは早計です。新規開業が若干減っているとはいえ、2011年の全国の歯科医院数はコンビニよりも多い約68,000件。歯科医院の数が多すぎることに変わりはありません。
そして新規開業が減っている一方で、廃業数は1,600件前後で高止まりしています。もちろん高齢になった歯科医が引退のために廃業というケースもあるとは思います。しかし過当競争に敗れて経営が悪化し「倒産」に追い込まれている歯科医院も確実に増加しているのです。
この事実からも、開業後に安定した経営を続けるのは困難な状況であることがおわかりいただけると思います。開業さえすれば、いい治療さえ提供すれば、安定した経営を続けられた時代は終わったのです。
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